2008/04/15

あたしったら不屈の精神☆

腕をついたら猫ふんぢゃった。
ごめんよさいちゃん。

今日は無料着付け教室第5回目。
「良質な帯を選ぶセミナー」でございます。

午前中は帯メーカーの方から「帯」についての非常に有用なお話を伺います。
そして午後。メインの「セールス」コーナーでありまする。

当然、無料教室がボランティア精神によって成立しているわけもなく、「良質な帯や着物に触れる機会を提供する」といって生徒達にスポンサー企業の帯や着物を販売して、教室の運営費がまかなわれているわけです。

私のクラスはラッキーなことに4名と少人数で、普段は先生の目が行き届き、一人一人懇切丁寧にペースに合わせて教えてくれるのでとても良いのですが、今回ばかりはそうはいかん!
たった4人だと、講師1(帯メーカー)、講師2(帯メーカー)、講師3(着付け講師)、付添い1(教室運営会社社員)が各生徒にマンツーマンでセールストークを繰り広げることが可能となり、少人数なことが裏目に出るわけです。

やはり長く続いている無料着付け教室だけあって、カリキュラムの構成がある意味パーフェクト。
午前中は、帯を作るのに如何に手間暇かかっているか、すなわちどんな工程で、どのような綿密な作業を、どんなに多くの人の手をかけて作られているかを説明し、「こんなに大変な作業を経て懇切丁寧に作られる帯ならば、高額でもしかたがない」と刷り込みを行う。

ランチ後部屋に置いてある帯の中で最も気に入った物を手元に持ってくるように指示。

次に、帯造りの大変な作業の中でも、最も手の込んだ作りをしているすばらしい帯を見せ、「これは一体いくらだと思いますか?」と質問し、無知な生徒に回答を迫る。
当然私のようなノー知識な人間は、高額な値段を言うわけだが、実際は予想より随分安く、「あ、そんなもんなんだ」と小驚き。

その後、その部屋にある全ての帯の中で最も高額な商品の値段を述べ、「これが最高額で、この部屋にある帯はすべてこの範囲内です。」との説明。
そして、「各帯の値段はここを見るとわかります」と値段の見方を教え、「自分の選んだ帯は最高額の帯に比べてまだ安い方だなー」と思わせておいて、「本日はこの額マイナス○万となります。しかもクレジットカードでの分割払いでも○回までは利息がつきません。仕立て代も今回は無料です。」と続く。

まぁ、ここまででも既に心理学を駆使し色々と仕掛けてあるわけだが。

続くコーナーは、「ご自分が持っている着物や、着てみたい着物の色に合わせて、帯、帯締め、帯揚げを選んでみましょう。(または先ほど選んだ帯に合う着物の色を選んで、帯、帯締めもコーディネートしましょう)」と、自分で着物、帯、小物のカラーコーディネートを行います。御太鼓の作り方を学んで、実際に反物に帯を合わせていくと、着姿のイメージも湧き、買う気が促進されます。

「やはり皆さんご自分に合う帯を選びますねー」とか「いいコーディネートですねー」とか「この帯は着物を選びませんよー」とか「帯は背中の顔ですから、着物を選ぶ前に良質な帯を持つことが基本ですよー」とか褒めたり色々セールストークが繰り広げられ、コーディネートタイムがいつの間にやら販売促進コーナーへ。
帯メーカーさんは当然京都の方なので関西弁。関東の我々はその勢いに圧倒されます。
鏡の前で自分がコーディネートした帯たちを実際に合わせてみたりします。

ちなみに別に脅迫されるとかそんなことは全然ないですよ。

もちろん帯自体はどれもほんと素敵だし、本当に帯や着物が欲しければその場で買うのも全然OKだと思いますよ。
ただ、私の場合、本当に自分で着付けできるようになるかも不明だし、着付け自体をマスターしたところで、着る機会がどれだけあるかは不明だし、家にある着物がどんなものだったか記憶も定かでないし、基本末っ子パラサイターなので、家族の誰か(特に姉)とかに「いいじゃん買いなよ」とか後押しされないと高額なものは買えない性質なのであります。
「買っちゃったからには着なきゃ」っていうスタンスではなく、「着たいから買う」とか「着たいからとりあえず家にあるものから着て、足りない/必要だと思ったら買う」っていうのがベストな訳です。
それをですね、いくら良質な帯の選び方をたった今学んだからと言って、いくら由緒正しい歴史ある老舗織り元の商品だからといって、他の織り元との比較もせず、浅い知識の中で高額な商品を買うっていうのはありえないわけです。あくまでも私には。
たとえば、今日買わないで、同じ商品が、流通を経由して最終的にさらに高額で売られていたとしても、他をたくさん見て自分なりに検討して納得して「やっぱこれがいいな」と思って買うならば、私的には全然OKな訳ですよ。
「あー早まったかな。もっと他にも安くていいものがあったかもな」と思うよりは、「お金余分にかかったけど、やっぱりこれは私の好みにあうんだなー。いい商品買ったなぁ。」と思える方が私の精神衛生上良いわけですょ。金なら出す!(ウソ)

で、話戻ってセミナーですが、4人中1人が帯をご購入。
ここで講師の皆さんはもはや私が買う気がないのを察知。
「草履は買っておいた方がいいですよ。ここの草履は他と違ってうんたらかんたら・・・。古い草履はなんたらかんたら・・・」と高額商品がだめなら低額所品をと小物関係を薦めてきます。
ちなみにここまでで既に販売コーナー2.5h経過。
正直密室で長時間いさせられて睡眠不足&風邪もたたって意識も朦朧としてきます。(大袈裟)
それももちろん先方の手です。

敵(いやいや別に敵ってわけじゃないですけど・・・)はもはや帯(袋帯)は無理だと諦め、最後の一手へ。
最後の一手は「ここでしか買えない」、「セミナー参加者にしか販売していない」、通常のものより長さがながーい半巾帯。
「簡単に結べる」「様々なシーンに応用できる」「袋帯に比べて値段も3分の1以下」「結び方DVD付き」「今なら小物あげちゃいます」など様々なセールストーク&実際にその場で簡単に結んでみるという実演付き。
いやー、実際にすっごくかわいいし、すっごく簡単に結べるのですよ。
「これなら南アフリカもってけるよ」って感じで。

で、価格も袋帯より廉価ということで、2名ご購入。
そう、この時点で4名中なぁーんにも購入していないのは私おひとり様だけであります。

でも、不屈の精神、強靭な精神力で乗り切ったわ・た・し。
半巾帯なら買ってもいいかなーとも思ったんだけど、「これ!」っていうデザインがなかったし。(「いいかもー」って思うものはいくつかありました。)

最後にしつこく、「この部屋の中で一番気に入った帯は?」と聞かれ、「これ」というとまたしてもセールストークが続いたのだが、半巾の3-4倍の値段のもの今更お勧めされても無理なわけで、5時間半にわたって繰り広げられた攻防がようやく終了。

いやー疲れた。

終了後、二人のマダム(半巾帯ご購入)とお茶したのですが、やはり二人とも「今日は絶対に買うまい」と思っていたらしく、購入したことを若干後悔というか、負けた自分を責めたい感じでした。でも、二人(+帯を買った方も)ともほんとお似合いの素敵な帯を購入していたので、別に変なものをつかまされたというわけではけしてないですょ。
「Nekobabarさんよく買わずにとおしたわねー。偉いわねー」と褒められ、「次回(第10回の会に行われる着物セミナー)は絶対に買わないようにしましょうね!」とか「じゃぁお互いけなしあいましょう」とか世代を超えて結束を強めた限りであります。
セミナー中は、「みんな買う気満々なのかなー」とか思っていたし、ほんとに似合ってたので、「いいじゃないですかー。お似合いですよ」とか言ってしまったけど、「買うのは負けだ」と思っていることが判ったからには、次回は全力で「うーんどうかなー」とか「ちょっとそれ若ぶってませんー?」「老けて見えますよー」とか思う存分毒づくことにしましたとさ。

まぁ、「買うのが負け」と思うのは、結局「主導権争い」で自分が勝てないことが許せないという俺様気質が起因するのと、なんだかんだつまるところは販売状況が若干?だいぶ?悪徳商法めいているところが気に食わないということで。

こんなページもありますしねー
http://www.kokusen.go.jp/jirei/data/200412_1.html
http://www.mjimu.com/jirei-kimono-muryokistukekyoshistu.html

ちなみに、今日聞いた面白い悪徳商法は、
「エアコンの掃除1,000円でお試しいただけます」という電話があり、安いので申し込むと、二人のいけメン風男子がお掃除に来て、最終的に39万円の掃除機を売りつけられる、という押し売り販売。はじめは「これは商品じゃないんですけどね」と言っていたのに、購入を拒むと最後には土下座までして「これを売らないと会社に戻れないんです」とか言ってくるらしいです。
ポイントは「いけメン」「二人」ってとこでしょうねー。
主婦を狙った悪徳商売。2:1じゃ勝てないでしょう。
怖い怖い。

再度話戻って、でもでもでもでも、私のように不屈の精神を持った人間にとっては、無料着付け教室全然悪くないですよー。
知識は無駄にならないですしねー。実際お着物着れるようになったら生活に幅が広がるし。
ただ、手元に良質なものが残るため、何も買わないですごすのは結構難しいかと。
「まぁ、変なもの買わされるわけじゃないし、今日買えば安くなるし、買えば着るようになるでしょう」と、「別に買ったからって後悔しないもん!」と思いがちです。
「いやー私はそんな状況でも絶対買わない」とだれもがはじめに思っている訳です。

ただただただただ、セミナーで高額支払った後で、同じ織り元の商品がネットで本気で○分の1くらいの価格で売ってるの見たらショック受けるでしょうけど。
(まぁ、全く同じ商品ってわけじゃないですけどね。)

たとえばこんなページ

これなんかは「セミナーの生徒にしか販売しない」とか言ってた系
※訂正 ↑これは半巾帯じゃなかったので、「セミナーの生徒にしか販売しない」とか言ってた系」とは別物でした。しつれいしますた。2008/4/16

着物セミナーの結果は6月以降にUpします。
乞うご期待!

6 件のコメント:

George Nagata さんのコメント...

ちょーおもろい。
着付けアドセンス押し売りに負けない不屈の精神、それでこそサイゾーだ。

色々な商法があるよな。
時計アゲル商法なんてのも面白いぞ。

http://kamesan.net/blog/archives/2004/11/post_64.html

Neko Babar さんのコメント...

時計アゲル商法すごいねー。
そういえば、大学の時は「スカウト」商法ってのが流行ってたよ。
街で「芸能プロダクションです」といって声をかけられて、事務所に連れていかれて所属タレントとかの説明をうけて、「オーディションのための宣材写真をとるには8万かかる」とか言われるの。
まぁ、実際にそれでキャンギャル程度の仕事とかはもらえたりするんだけどさ。(事務所に所属した友達は、高額な写真代払ってたけど、最終的にはそれをペイできるくらいの仕事はこなしてたかな。もはや詐欺ではないけど、明らかに高すぎる金額でした。)
私はひやかしで事務所までついてって、写真代の説明うけた時点でサヨナラしてきました。
あー、あとは一緒にバリに行った友達は、道端でスピードくじでホテル無料宿泊券があたって、遠くまで連れてかれて、リゾートホテルのイメージビデオを最後まで見ないと宿泊券あげられないとか言われて、最終的に200万位のセブ島かどこかのリゾートホテルの会員権みたいなものを買わされてました。。。(ちなみにその時一緒にバリに行っていたのはなにを隠そうこの私。でも薄情なので友を見知らぬ土地に置き去りにしてきました。うふふふ。←これだけ聞くと本当に非道なので、今度会ったとき経緯をお話するよー。)

George Nagata さんのコメント...

そのバリの話、かなり面白い。

同じようなネタで、「スキー場で無料宿泊券があたったと思ったらリゾート会員権を買わされそうになった」というネタがSouth Parkのエピソードであったよ。

友人はカンクンに旅に行ったら、やっぱり同じようなタイムシェア・リゾート会員権を数百万で買ってた。

どこの国もやることは同じだなあ。
不屈の精神がないとタイムシェア買ってマネーロスしてしまうっていう。

Neko Babar さんのコメント...

サウスパークって世相をちゃんと反映してるんだね(笑)
不屈の精神持ちすぎると感動が薄い人間になるので要注意!

匿名 さんのコメント...

くく。相当おもしろい☆
私もどちらかというと不屈の精神派。
相手が売り込もうとすればするほど断りたくなるのよねえ。
そうなると、もはや自分にとって損か得かより、勝ち負けになってくるっていうか。
ただ、疲れるのは疲れるよねえ・・

Neko Babar さんのコメント...

そうそう。どうしても勝ち負けとしてとらえちゃうよね、グロチームメンバー的には。
でもほんと疲れたよ。なんだかんだ、販売コーナーだけで3時間半あったもん!
人数多いクラスだと一人当たりの負荷が減るからいいんだろうけどねー。

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